てんかん地域診療連携システム

研究班が提案するてんかんの地域診療連携モデル

研究班の提案するてんかん診療の次元

一次診療:てんかんのプライマリケア
二次診療:神経学専門医(又は同等の医師)によるてんかんのケア
1)てんかんの診断と薬物治療
2)脳波及びMRIによる診断*
三次診療:てんかん専門医(又は同等の医師)によるてんかんのケア
1)発作時ビデオ脳波モニタリングによる診断
2)てんかんの外科治療*
3)複数の診療科による集学的治療*

(ただし*の機能は関連施設で行える連携グループが形成されていれば良い)

てんかん診療施設を、患者のファーストアクセスとしての1次診療施設(プライマリケア)、問診・脳波及びMRI検査に基づくてんかんの診断と抗てんかん薬の調整が可能な2次診療施設、及び発作時ビデオ脳波モニタリングによる診断と外科治療が可能な3次診療施設に分類します。2次・3次診療施設は必ずしも単一施設でなくてもよく、一定の基準を満たす連携グループとしての機能単位とします。

各診療施設がその機能的役割を発揮できるよう、発作の抑制されない患者さんは専門的診療へ、発作が抑制され状態の安定した患者さんは一般診療施設へ紹介する双方向性の循環を促進します。初発診断や発作再発例は2次診療施設で、発作モニタリングを必要とする難治例やMRI病変を伴う外科治療例は3次診療施設が対応します。また拠点施設にはてんかん診療の質を担保し診療連携の中核としての役割を果たせるよう施設基準を設け、これらの目的を達成するための診療報酬上の手当を付与します。

てんかんの地域診療連携と社会的メリット

てんかん診療のアクセスポイントが明示されることで、患者さんにもかかりつけ医にも、発作が抑制されない場合にどの医療機関を受診すればよいかが明らかとなります。また高齢者てんかんの診断、運転免許、発作に関わる事故、就学、就労等てんかんの社会的側面に関する問題の解決も容易になることが期待されます。

地域において、てんかんの患者さんに適切な医療を供給することは、発作に起因する事故を減らし地域の安全を確保する上で必要な社会的コストと考えられます。現在のように地域でどの医師がどのようなてんかん診療を行っているか分からない状態は早急に改善すべきであり、てんかん診療の地域拠点を今後整備してゆく事が、てんかんに関わる様々な社会的問題を解決する糸口になるものと考えられます。

我が国におけるてんかんの地域診療連携モデル
  • てんかん診療は、地域の医師による1次診療(プライマリケア)、神経学専門医による2次診療、及び外科治療も可能な専門センターによる3次診療に分けられますが、研究班では、それぞれの診療を担当する医師の資格と診療内容につき提案を行うとともに、地域において各診療施設が効果的に連携できるモデルを提唱しています。
  • てんかん医療は、小児では発達障害の予防と学習の改善、成人では就労や生活の自立を通してQOLの向上を目指すもので、てんかん医療の充実は社会経済学的に重要な問題であり、また運転免許の問題など地域の安全を確保する為にもてんかん医療の充実は欠かせない前提条件と考えられます。